2025.10.19
社内申請ワークフローをクラウド化する手順
- IT_MITENA
- 情シス代行
- 業務効率化
社内での各種申請――たとえば、アカウント発行・ソフトウェア導入・経費精算・備品購入など。
これらをメールやExcelファイルでやり取りしている企業は、今も少なくありません。
しかし、そのやり方では「誰が承認しているのか」「進捗はどこまで進んでいるのか」が見えず、申請の遅延や抜け漏れが頻発します。
さらに、管理者にとっても、監査や履歴確認に膨大な時間がかかるのが現実です。
こうした課題を解消するのが、「クラウドワークフロー化」です。
この記事では、社内申請をクラウド化する手順と導入のポイントを、情シス視点で解説します。
1. 申請業務の“アナログ構造”を分解する
まず、申請業務の仕組みを分解してみましょう。
多くの企業では、次のようなフローで運用されています。
-
申請者がExcelやWordで申請書を作成
-
メールで上長に送付 → 添付ファイルのやり取り
-
PDFにしてハンコを押す(または承認メールを転送)
-
承認後に情シスや経理に転送
-
最終処理・反映・報告
このプロセスには、多くのムダが潜んでいます。
-
ファイルが散在し、最新版がどれか分からない
-
メールの転送ミスで申請が止まる
-
進捗が共有されず、催促が発生する
-
記録が残らず、監査対応が煩雑
これを「入力」「承認」「通知」「記録」という要素に分け、それぞれをクラウド上で一元管理するのがクラウドワークフロー化の基本です。
2. クラウド化のメリット
クラウド型ワークフローを導入すると、次のようなメリットがあります。
-
申請・承認・完了のステータスがリアルタイムで可視化される
-
関係者全員が同じ画面で進捗を確認できる
-
承認者の不在時も代理承認で処理を止めない
-
申請履歴や証跡が自動で保存され、監査対応が容易
-
通知・リマインドを自動化できる
つまり、クラウド化は「便利な申請ツールを使うこと」ではなく、「社内の承認フローを見える化すること」に意味があります。
3. 代表的なクラウドワークフローツール
情シス代行の現場でも、次のようなツールがよく活用されています。
-
Googleフォーム + スプレッドシート + Apps Script
-
無料で導入でき、簡易ワークフローとして十分機能
-
-
Microsoft Power Automate + SharePoint
-
Microsoft 365環境に統合されており、中堅企業で人気
-
-
kintone(サイボウズ)
-
柔軟なカスタマイズが可能で、情シス以外の業務にも拡張
-
-
Notion + Zapier / Make連携
-
申請データをデータベース化し、可視化ダッシュボードを構築
-
-
ジョブカンワークフロー / SmartFlow
-
経費精算や稟議申請などの定型業務に強い
-
選定のポイントは、「自社で管理できるか」「既存ツールとの連携が容易か」の2点です。
4. 導入手順:5ステップで整理する
クラウド化は、一度にすべてを変える必要はありません。
まずは、頻度が高く、属人化しやすい業務から着手します。
ステップ1:現状の洗い出し
-
どんな申請業務があるかを一覧化
-
頻度・関係部署・承認段階を整理
-
手間とリスクが大きい業務を優先
ステップ2:フロー設計
-
申請者・承認者・処理担当を明確化
-
承認順序・代理承認ルールを設定
-
「入力→承認→完了→通知」の流れを可視化
ステップ3:ツール選定
-
既存のGoogle/Microsoft環境を最大限活用
-
権限管理やログ保存の機能を確認
-
将来的な拡張性も考慮して選定
ステップ4:テンプレート作成
-
頻出する申請書(アカウント申請・備品購入・SaaS導入など)をテンプレート化
-
入力項目を最小限にし、必須項目を明示
-
承認ルートを設定し、Slackやメールに通知連携
ステップ5:運用ルール策定と教育
-
申請・承認・却下の操作ルールを明文化
-
利用マニュアル・動画チュートリアルを用意
-
社員教育を実施し、利用定着を促す
これらを順に進めれば、無理なくクラウド化を定着させることができます。
5. セキュリティ・権限設計のポイント
申請業務には、個人情報・社内アカウント・経理データなどが含まれるため、セキュリティ設計が重要です。
-
アクセス権を最小限に設定する(閲覧と編集を分離)
-
データはクラウド上に保存し、ローカル共有を禁止
-
承認履歴・更新履歴を自動保存
-
二要素認証(MFA)を有効化
-
外部共有リンクを制限
「誰が、いつ、どのデータを操作したか」を記録できる設計が、監査・内部統制の観点でも有効です。
6. 情シス代行が支援できる領域
情シス代行では、社内申請のクラウド化を進める企業に対し、以下のような支援を行うケースがあります。
-
現行フローの可視化と課題整理
-
Google / Microsoft環境でのワークフロー設計
-
ツール比較・選定のサポート
-
承認ルートと権限設計の最適化
-
運用マニュアル・教育支援の実施
特に、社内でワークフロー構築スキルを持つ人材が不足している場合、初期設計を外部チームが支援することでスムーズに導入できます。
まとめ:クラウド化で“止まらない申請”を実現する
申請フローのクラウド化は、単なる効率化ではなく、「情報の流れを止めない」ための施策です。
社内の誰もが、いつでもどこでも申請・承認できる仕組みを整えることで、業務スピードと透明性が飛躍的に向上します。
lanitechの IT MITENA では、Google WorkspaceやMicrosoft 365環境を活用した申請ワークフロー設計、運用ルール策定、テンプレート作成などを支援するケースがあります。
「申請が滞っている」「どこで止まっているか分からない」といった課題がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
